3Dモデリングの制作
「Sketch Up」という3Dモデリングソフトを用いて、過去の文献や点群データから3Dモデリングを制作しています。膳所城に関する資料は数が限られているため、他のお城の資料も参考にしながら作業しています。
本ラボの学生は全員環境都市工学科という土木系の学科に所属。そのため建築に関する知識を学ぶところからのスタートでした。棟木・母屋・垂木・野地板・根太などの専門用語、木造建築や軸組、お城の作り方、膳所城に関する文献調査など…。着手から足掛け4年を費やして、ようやくここまでたどり着きました。
Sketch Upのデータ
文献は数が限られているうえに大まかな構造しか載っていないため、宮大工の方にご意見を
伺いながら1つ1つ丁寧に作りこんでいます。
宮大工の方からお話を伺っている様子
点群データを用いた3Dモデリングの制作
点群データとは測量によって得られる3次元の直行座標を持つ点の集まりのことで、現在は
建設現場でも実際に使われている技術です。
水門の点群データ。一見普通の写真のようですが…
拡大すると点の集まりであることが確認できます
この点群データをSketch Upに取り込み、3Dモデリングを進めていきます。
以下の画像で緑色になっているのは、元の点群データとモデリングしたものの誤差が
20mm以内になっていることを示しています。つまり緑色の面が多いほど正確にモデリング
できているということです。
モデリング作業中の画面。緑色の面が多くなるように調整しながらモデリングしていきます。
完成した水門のモデリング。現在この水門は膳所神社の南門として移築されています。
モデリング作業は困難の連続です。
・モデリング作業を開始した当初、Sketch Upの機能を
うまく使いこなすことができなかった点
・点群データを使ってモデリングを作成する際、重なっている部分が多く手間取った点
・瓦を載せる際、一つ一つ載せる必要があった為時間がかかった点
・図面が無いもの等を作る際、現地に行って調べる必要があった点
・モデリングが大きくなるにつれデータ量が大きくなりパソコンの動きが悪くなった点
など…。
しかしモデリングを自分で完成したさせたときの達成感は特別なものです!!
どんなに大変な作業でも、やりがいがあるから取り組めます!